具体的な裁判の事件を担当する裁判官の数は、裁判所によって異なる。
簡易裁判所の場合は、全ての事件について一人の裁判官が担当する。
地方裁判所の場合は、一人の裁判官が担当する(これを「単独」という)ときと、三人の裁判官が担当する(これを「合議体」という)ときとある。刑事事件の場合は、殺人事件など重罰が課される一定の法定事件が合議体の審理となり、民事事件の場合は、裁判所が重要と判断した事件が合議体の審理となる。
高等裁判所の場合は、全ての事件が三人の合議体での審理となる。最高裁になると、五人の裁判官の合議体(これを「小法廷」という)か十五人の裁判官の合議体(これを「大法廷」という)の審理となる。
三人の裁判官の合議体は、真ん中に座る裁判長と右陪席裁判官そして左陪席裁判官と通常呼ぶ構成となる。両側に座る裁判官のどちらが「右」でどちらが「左」というのか。これは、ひな人形の最上段に右大臣と左大臣を並べることになるが(たとえが極めて古いような気もするが)その「右」「左」と考えは同じである。裁判長から見て右左を考えれば良いが、傍聴席から見れば左側が「右陪席」で右側が「左陪席」ということになる。そして、通常右陪席が、左陪席より先輩格になる。但し、判決を決めるときは、三人平等で合議し、その結論が対立したときは多数決で決めることになる。
古来「三人寄れば文殊の知恵」と言われるが、その出される判決が「文殊の知恵」の結果であれば良いのだが、現実はどうだろうか。
佐藤欣哉